台風の日の朝と夜
今週の月曜日、非常に強い勢力で沖縄から九州へ台風が接近した日の朝、5時17分日の出の時刻、ベッド脇の窓が橙色に染まり何事かと驚いてカーテンを開けると、もくもくした雲の間から燃えるような不思議な空が映っていました。
あまりの迫力にすっかり目が覚めてしまい、九州で台風の被害が起こらないよう祈る気持ちで迎えた朝でした。
週のはじまり月曜日はお得なauマンデーを使ってときどき映画館へ行きます。仕事帰り4日から始まったばかりの「パヴァロッティ-太陽のテノール」を観に近くの映画館へ向かました。ルチアーノ・パヴァロッティの生涯を描いたドキュメンタリー映画です。
大のオペラ・ファンではないけれど、当時3大テノールに魅せられてパヴァロッティだけは大好きで今でもCDを聴きます。
20年くらい前の出来事になります。パヴァロッティが来日した時のことです。コンサート終了後の食事の接待を、元赤坂のとあるお店でセッティングをされていました。(このお店今はありません。おかみさんも今は亡き人となりましたが、懐かしくときどき思い出す素敵なお人でした。料理、美味しいお店、着物、帯、草履、書道・・・箱根の別荘でたくさんのことを教わりました。おっかなくて女嫌いなのにどういうわけか私は可愛がってもらいました。その日こっそり知らせを受けたのです)車が到着してお店へ入る瞬間お車から降りてくる大きな体のパヴァロッティを近くで見ることができました。汗をかいてお化粧をしたままでした。その夜は美味しいすきやきのお肉をたくさん召し上がったそうです。私の眼の中の大切な記憶です。
この映画はパヴァロッティの親交のあった人々のインタビューと素晴らしい映像と音響で構成されています。美しい歌声「ハイC」と呼ばれる高音、再び感動し涙しました。映画を観て外に出ると雨があがり、夜空がきれいに輝いていました。
こんな風に人間は亡くなった後も折に触れて懐かしむ。いい人生とはこういうことなのかもしれません。